テレビを捨てて本を読もう

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【感想・紹介】最近読んだKindle日替わりセール本まとめ/自給自足・人相・村西とおる・話し方

今回もジャンルもテーマもバラバラだが、ここ数カ月の間Amazon kindle日替わりセールで積読していた本をまとめさせていただく。

 

1.自作の小屋で暮らそう

 まずは自分で自給自足しながら暮らせる小屋を建てる方法についての本、「自作の小屋で暮らそう」から。

生きていくためには、寝るための壁と床と屋根さえあればとりあえず事足りるのに、我らが日本では、何故か安くとも毎月何万円もする定額制のものや、借金を抱えなければ買えないような高級家屋しか売っておらず、寝るための場所を買うために最悪借金でおちおち寝ていられなくなる・・・言われてみれば確かにと頷かされそうなこともあるが、まずそういった出発点から始まったのが、著者の目指したBライフである。

Bライフとは著者が提唱したもので、このBは貧乏のBとかBarrack(バラック)のBとか色々出てきたが、一応はBasicのBらしい。あくまで素人が行きあたりばったりで始めたものということで、Babyish(幼稚な)という意味も加味されつつあるようだが・・

このBライフとはつまり、生活にかかる家賃水道光熱費や食費等を限界まで抑え、最低限の収入さえあれば、あとは働かず好きに小屋で寝てたりしてればいいという、現代日本の資本主義社会のレールから降りて、出来る範囲で自由に暮らすという一つの生活スタイルである。

新しくて綺麗な家に住むとか良い車に乗るとか美味しい店で食事をするとか、そういった現代社会における付加価値を一切取り払い、仕事にも縛られずただ寝たい時に寝て、起きたい時に起きる、それを至上の贅沢として生活することに魅力を感じる人であれば本書は有用な指南書になると思う。

何も清貧な生活を尊ぶとか、贅沢な暮らしを批判した本ではなく、現代日本の整ったインフラや制度を利用できる範囲で利用させていただいた上で、いかに最低限の生活でその旨味を享受するかというところに焦点が当てられている。

仕事に縛られず自由気ままに生活したいけど、便利な生活とか文明的な娯楽がなくなるのはちょっと・・・という人にはお勧めできるものではないし、自分もさすがにここまで極端に生活したいかといえばイエスとはいえない。

しかし現代文明の中で何かしら会社や役所に勤め縛られることに苦痛を感じている人にとって、こういう生活の仕方もあるということを知っておくのは、いざという時の心の拠り所にもなるかもしれない。
別に何も一生小屋暮らしでひっそりと暮らすわけではなく、都会での生活がいやになったらいつでもゆっくり寝ていられる家がもう一つあると思えばいいのだ。

けど自分がただ寝起きするためだけの小屋を作るといってもまずどうすればいいのか?
土地は?どうやって建てるのか?まずどのくらいの費用がかかるのか?仕事しなくてもいいとは言ってもどのくらい収入が必要なのか?食料はどうする?そもそもどのようにして生活するのか?

そういった数々と浮かんでくる疑問に対して、建築経験も何もない著者が自ら手探りで土地を探し、小屋を建て、生活を確立する過程を示してくれた生きた参考書と言えると思う。

 

2.ツキを呼ぶ顔 逃がす顔

 

ツキを呼ぶ顔 逃がす顔

ツキを呼ぶ顔 逃がす顔

 

 

著者は沖縄の国際通りでは有名な、行列のできる人相占い師らしい。
私は基本的に占いの類は話半分に聞いておけばよいくらいにしか思っていないが、人相や手相は人体の原理に則って体に表れているものなので、結構関心を持っている。

その道何十年のプロの著者も述べているように、人は見た目によらないなどというが、そんなことはない、やはり人は見た目どおりなのだ。
ヤンチャそうな顔つきの人はヤンチャだし、神経質そうな顔をしている人はやはり神経なものだ。見た目で人を判断すべきではないとはいっても顔にはその人の本質が表れている。

本書では顔の形によって人の性格を分析する方法から、自分の顔に活力を与え充実して生きるためのアドバイスも語られている。
運気を上げるためには口角をあげて笑顔でいることが一番とか、そんなことみんな知ってるよ、って情報もあるだろうが、意外とそういった当たり前に思えることこそ普段は忘れてしまっていたりするのだ。

顔のどの部位がどのような状態によって仕事運を表しているとか、金運を表しているとか、結構細かに記載されており、中々興味深いことが多い。
顔色を見極めたり顔の形を観察したり、訓練と慣れも必要となってくるだろうが、単に占い好きな人も、仕事で人と対面することが多い人などにとっても、こういった知識は単なる読み物として以上に役立つこともあるはずだ。

 

3.裸の資本論

 

 昨年Netflixのドラマ「全裸監督」で話題を読んだ伝説のAV監督、村西とおる自身による、いわば自己啓発書である。
私は平成世代なのでテレビで村西氏を拝見したことはなくドラマのイメージしかないのだが、そのイメージとは反して、本書で語られていることは極めて本質的なことであり、慇懃で腰の低い語り口ですっと言葉が入ってくる、骨身に染みるというのが適切な本だ。

内容としては稲森和夫の「生き方」のようないわゆる昭和の体育会系的仕事論に近しいところはあり、その手の啓発本を読んだことがある人なら大体において目にしたことがあるようものだが、修羅場をくぐってきた人の言うことには確かに血肉として活きるものがある。各章に過去の偉人たちの名言も添えられているのだが、そのチョイスもまた良い。

AV業界なだけあって書いてあることも多少美化されてあったり、実際はクリーンではない部分もあるのだろうが、実際に天国と地獄両方味わっただけあって、人生の真理とでもいうべきことに到達していることは確かだろう。

村西氏のようにドラマさながらの人生を体験してみたいかといえばそうとは言えないし、誰しもこれほど破天荒な人間になれるわけではないが、お金との向き合い方に関しては、予想に反し堅実かつ実直な考え方が述べられており、身につまされるものはあるはずだ。

この手の本は読み飽きたと思っている人でもいざ読んでみると、今の自分が果たしてどれだけ本気で生きているかということを思い返すいい機会になると思う。

 

4.100%得する話し方

 

100%得する話し方

100%得する話し方

  • 作者:新井 慶一
  • 発売日: 2020/07/06
  • メディア: 単行本
 

 もはや世間にごまんと溢れている話し方の本である。

おそらくその大部分が聞くことが大事と述べているように、本書も聞き方に焦点を当てた本である。話し方に関してはデール・カーネギー「人を動かす」さえ熟読していればいいんじゃないかと思っているくらいだが、実際こういった類似の本を読んでも毎回それなりに学ばされるところはある。

カウンセラーとかアナウンサーとか、元々その道のプロフェッショナルな人が書いたものもいいが、40代を迎えるまでコミュ障でうだつのあがらなかった著者が今やイケイケだということで、とっつきやすいと思った次第でもある。

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

 

 自分が話すのではなく人に喋らせて満足させることが重要、そう思ってはいても自分の知っている話題であったりするとついつい相手の話そっちのけで自分の喋りたいことを喋ってしまっていたりするのだ。

もちろん自分も話したいのに聞くことばかり大事にして、自分の発散する場がなくなってしまってストレスを抱えてしまっては元も子もないのだが、あくまで重要なのは、コミュ障というのは自己肯定感の低さに起因しており、自分が会話の舞台を降り相手に話せて気持ちよくさせることで、結果として自身の自己肯定感も上がっていくということだ。

なのでこういった聞き方の本全般にあるように、主に一対一のコミュニケーションを想定しているので、飲み会とか集団での場合で何か面白いことを言わなければならない時とか、そういったケースまでカバーしてきれているわけではないと思う。

また、本書に書かれているようにただ相手の話を聞くだけで物事がそんな絵に描いたようにスムーズにいくことばかりでもないと思うので、元々コミュ障な人が話を聞くことに固執しすぎてしまって、ただ中身のない人、イエスマンになってしまう危険もある。

しかし本書にあるような聞く時の相槌、リアクション、等々を学び実践の場で訓練すれば、確かに話が続かなくて困るとか、一々相手と喧嘩になってしまうといった事態は避けられると思う。

聞くことが大事とは分かったつもりでいても、人間というのは実は本当はそんなに相手の話を聞いていなくて、自分が次に何を喋ろうかと考えている生き物なんだと気づかされる良書だった。